本をスキャンして電子化する時に注意すべきことを記載したいと思います。
2年間の代行業としてのノウハウです。自炊されている方、これから自炊される方の参考になれば幸いです。

【裁断編】

本記事では裁断機で切ることを「裁断」、カッターで切ることを「カット」と表現しております。

1.本をバラす時は手間を惜しまずなるべく小さく分解する

本をバラす方法は既に多くの記事にありますが、まずは綴じしろ部分をカッターで分解します。
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この時、手間を惜しまず、なるべく薄く、小さくバラすことをお薦めします。
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なぜなら裁断機で裁断する場合、どうしても摩擦の関係でカット面が斜めになってしまいます。
紙面の横幅を揃えるためにはなるべく、小さくカットして裁断する方が横幅がきれいに揃います。
ただし、手間との相反ですので許容範囲で効率よくされることをお薦めします。

裁断機はPK-513LNか200DXがお薦めです。



厚い本もザックリ裁断する以下のタイプはカット面が斜めになりますのであまりお薦めしません。


コミックの場合はそれほど厚くありませんので、カッターで本を半分にします。
本の厚みが裁断機の許容範囲だからといってそのままカットしてはいけません。
カットした部分を上にして裁断幅を確認して裁断します。

裁断幅は2~3mm程度が、糊もあまり残らず、見開きでもそれほど違和感なく見れます。
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見開き
























2.ホッチキス綴じの雑誌はそのまま裁断してはいけない


ホッチキス綴じの雑誌は裁断に注意しないとセンター部分を切りすぎて文字が見えなくなることがあります。ホッチキス綴じの雑誌はまず、ホッチキスを外し、センターをカッターで切ります。
当然ですが、センターでカットした場合でも両方の紙面の幅は整理できてません。
次に紙面の幅を揃えて、センターの良い位置で裁断します。この場合もカットした面を上にします。
雑誌1


【スキャン編】 
3.グレーモード(256階調)でスキャンする場合は、標準設定でしてはいけない
スキャンされる設定はどうされていますか。
デフォルトでスキャンされている方が多いと思います。実際、どのメーカーの機種であっても、デフォルト設定でも充分きれいにスキャンされると思います。 ただ、グレーモード(256階調)でスキャンされる場合は、標準設定ではなく、必ずコントラストを効かせてスキャンしてください。
理由は、スキャンした結果を見たときに、コントラストを効かせてスキャンした方が、黒がはっきり出て、きれいに見れます。
  【コントラストを効かせた場合】    【コントラストを効かせずスキャンした場合】
コントラストコントラスト無し



















グレーモード(256階調)の場合はコントラストを効かせたほうがいいのですが、カラーの場合は少し状況が変わってきます。
カラーもコントラストを効かせたほうが色合いがクッキリ出るのですが、効かせすぎると暗い部分はさらに暗くなって見え難くなります。標準、またはコントラストを低く抑えたほうがきれいに見れます。
ただ、これも紙質や状況によって調整をしたほうがいいと思います。
経験上では、表面がツルツルの紙では標準で、普通紙の場合はカラーであってもコントラストを効かせたほうがきれいに見えます。
  【コントラストを効かせた場合】    【コントラストを効かせずスキャンした場合】
カラーコントラスト有りカラーコントラスト無し























設定についてはスキャナーの機種のマニュアルを参照してください

4.大判の雑誌もあきらめない
廉価版のスキャナーはA4版までがスキャン範囲です。

scansnap ix500はA4より少し大きく、幅22cmまでスキャンできます。


ただし、ファッション雑誌やスポーツ雑誌等大判の雑誌は22cmより若干幅が大きく、センターで裁断すると文字まで裁断してしまう場合があります。
その場合は両端を5mmづつ裁断して、横幅を22cmに合わせます。両端をカットしてもそれほど違和感なくスキャンできます。
雑誌





















5.写真集をスキャンする場合はオートフィードタイプのスキャナーを使用してはいけない

雑誌も写真集もきれいにスキャンできるのですが、どうしても細かい縦筋が消えません。拡大しないとわからないレベルではありますが、スキャン面をきれいに拭いても、その時はきれいになるのですがすべてを取ることはできません。
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原因は紙に付着した細かいほこりがADF(自動送り)で読むときに紙と一緒に読まれて白い筋になるためです。さすがにすべてのページを拭いてほこりを取ることは手間が掛かりすぎます。そのため、写真集をきれいに残されたいと思われる方は、裁断後1枚1枚フラッドベットでスキャンされるたほうが無難です。ただし、コントラストを効かせるとある程度スジは見えなくなります。コントラストを調整できるスキャナーであれば、何度か調整して好みの設定でスキャンされることをお薦めします。

スキャン作業はほこりとの戦いでもあります。
スキャンガラス面が汚れていれば、拭けばきれいになりますが、本に付着している細かいホコリは簡単には除去できません。カラーの場合は色が偏光してスジになりますし、グレーでスキャンしても細かい白いスジが入ります。できるだけ頻繁にホコリを除去するために、「CyberClean」をお薦めします。
アイリスオーヤマ サイバークリーン 145gプラスチックボトル入り PCP-135
アイリスオーヤマ






元々はキーボード等の間のホコリをとるためのものですが、ペタペタと当てるだけでホコリが取れますので大変便利です。
スキャンガラス面を拭くのには専用のクリーナーがありますが、高価なため私は安いエタノールとクリーニングペーパーを使っています。



 クリーニングペーパーはウェットタイプのクリーナーと違って毛羽立ちませんし、キムワイプのように薄くないので汚れるまで何回も使えて重宝します。

6.表紙カバーのスキャンはきれいに拭いてスキャンしなければならない
表紙カバーはビュワーソフトの本棚に並ぶため、なるべくカラーできれいにスキャンしたいものです。
ただ、表紙カバーは一番ホコリがつく場所でもあります
オートフィーダのカラースキャンではほこりのスジが出やすくなりますので、表紙カバーは必ず布等で拭いてからスキャンするか、フラットベッドタイプのスキャナーでスキャンしましょう。
もし、余裕があれば、表紙のスキャンにはScansnap SV600をおすすめします。

本来、裁断しないスキャナーとして紹介されていますが、1枚1枚をスキャンする場合に大変便利です。フラットベッドより使いやすく、ほこりのスジについての心配が必要ありません。SV600の傾き、サイズ検知能力は大変優秀で、無造作に置いてスキャンしても、きれいに直してくれます。
帯をスキャンする場合も重宝いたします。
斜めに置いた表紙も
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まっすぐきれいに直してくれます。カバー表紙全体にわたる絵もきれいにスキャンできます。

カバー表紙

表紙を抑えるのには、こちらが安くて重みもあり、便利です。







7.黄ばみが強い文庫本はモノクロ(2値)でスキャンする
古い文庫本は黄ばみが気になります。
グレー(256階調)でスキャンしても文字は充分読めますが、黄ばみが気になります。
黄ばみ
黄ばみが気になる場合は、モノクロ(2値)でスキャンしましょう。黄ばみのグレー部分がスキャンされず、きれいになります。

2値
ただし、機種によってはドットを十分に判断できずに文字が時々かすれる場合があります。 機種選定のときに事前に確かめておいたほうが無難です。
scansnap ix500のモノクロ600dpiスキャンは優秀で、今まで文字がかすれて読めない事象は出てません。
白紙のページでは裏写りのため汚くなりますが、その場合は削除して白紙ページと入れ替えましょう。これは編集編で述べます。

ファイルの保存は後の編集を考えるとPDFで保存しましょう。PDFは本と同じように表示できますし、編集するのに向いてます。

【編集編】
8.糊の後はそのままにせず、トリミングできれいにする

スキャンしたら編集作業を忘れずに行いましょう。
本と同じように見開きで見ることを前提に編集する必要があります。
できればAcrobat standardは用意したほうが良いです。


表示は、縦書き、コミックは右開き、横書きは左開きで見開きにしましょう。
見開きページ表示で、表紙を表示するを忘れずに。
見開きが正しく表示されるように、白紙が必要であれば白紙を挿入します。
Acrobatがあれば、ページ単位で削除したり挿入したりすることができます。
基本は偶数ページが右開きの場合は右側に、左開きの場合は左側に来るようにします。

表紙から2~3枚は糊が強く、絵が一部剥がれる場合があります。これは仕方のないことですが、トリミングしてキレイにしましょう。
【トリミング前】
トリミング前
【トリミング後】
トリミング後

Acrobatでキレイに処理できます。

9.JPEGにするのはPDFで見やすいことを確認してから、JPEGに変換する。

ファイルの管理にPDFかJPEGかという選択がありますが、今のビュワーソフトはどちらも対応しているソフトが多いので、どちらでもいいと思います。
PDFの長所はファイルが一つなので取り回しが楽です。後からの編集もし易いです。
JPEGは1ページ1ファイルですのでファイル管理は連番で行う必要があり、ページの挿入や削除はやり難いです。ただ、ビュワーアプリが1ページづつ読み込むだけでいいので、立ち上げが早く、軽いイメージがあります。
また、サーバーに保管していればファイルをダウンロードしなくて1ページづつ表示するというような使い方もできます。

JPEGは編集がしづらいので、先にPDFで見やすく編集してからJPEGに変換しましょう。
変換1回ならそれほど解像度を落とす心配もありません。
変換するためのソフトはフリーでたくさん出てます。私は「4Videosoft Free PDF to JPEG Converter」を使っています。PDFのファイル名でフォルダを作ってくれますし、日本語のファイル名+連番でJPEGに変換してくれるので後でファイルの整理がし易いです。

10.機種への最適化はしない

以前は、解像度がまだ低かったため、タブレット、スマホの機種毎に最適な表示密度に変換して、ファイルサイズを減らすことが流行っていました。
ただ、現在ではタブレットもスマホも高解像度になり、スキャンしたファイルをディスプレイに合せて最適化すると逆にファイルが大きくなり、ぼやけた画像になります。
オリジナルのファイルをアプリ側で最適に表示させるほうがきれいに見れます。
唯一、paperwhiteやkobo等のe-linkの画面でPDFを見ると文字がかすれて見えにくいため、文字太く、余白を削除しMobi形式にしたほうが見やすくなります。


無償の「ChainLp」「PDF Diet」で簡単にできますので、そちらをご利用ください。

Kindle Fireの場合はPDFのまま「PerfectViewer」で見たほうがキレイに見えます。




以上です。
ご質問があるかたはご自由にコメントしてください。